地球と一緒に生きていく

人間が好き勝手に破壊してきた地球の自然を少しでも回復させて次世代に渡したい。そんな気持ちで地球環境に関する情報を発信していきます。

海辺で拾える貝ハンドブック (文)池田等 (写真)松沢陽士 文一総合出版

海辺で拾える貝ハンドブック

内容

砂浜や岩場に落ちている貝殻の種類を判別できるガイドブックです。

 

目次

  1. 貝とは何? 貝の発生
  2. 巻貝・二枚貝・ツノガイの各部の名称
  3. ビーチコーミングと貝拾い 海の区分 潮間帯の区分
  4. 拾った貝からわかること 貝拾いのコツ 貝が打ち上がる海岸
  5. 凡例 貝の保管 貝拾いのための持ち物リスト 注意すること
  6. 拾える貝の質 用語の解説
  7. 砂浜で拾える貝 岩浜で拾える貝
  8. いるはずのない貝が拾える
  9. 種名検索

感想

実家がわりと海の近くだったので、子供のころは放課後に友達と自転車でよく砂浜に行っていました。

 

泳げない時期の砂浜には多くのごみが打ち上げられていて、波に削られて丸くなったガラスの破片とか、日本海側だったのでハングル文字や中国語らしい文字が刻まれたごみがあったりして、そういうのを見つけては拾っていました。

 

生きものもたくさん打ち上げられていて、海藻やクラゲ、深海魚のリュウグウノツカイらしき魚の死骸を見つけたこともありました。

 

もちろん貝殻もたくさん打ち上げられていて当時は何の種類の貝かもわからずに拾っていましたが、二枚貝よりは巻貝が好きでたくさん拾っていました。

 

僕の地元の石川県では能登半島に行くと桜貝がたくさん拾える海岸があって、大人になって車の免許を取ってからは時々拾いに行ったことを思い出します。

 

このハンドブックには日本の海岸で拾うことができる約150種類の貝殻の美しい写真が載っていてそれを見ているだけでも楽しむことができます。

 

また、貝類は学問的には軟体動物で世界に10万種類もおり、節足動物や線虫動物に次いで多いこと、巻貝や二枚貝のほかに殻をもたないもの、8枚の殻をもつもの、タコやイカなど7つのグループに分類されることなど大変勉強になりました。

 

今は実家から離れて内陸のほうに暮らしていますが、いつかまた実家に戻るようなことがあればビーチコーミングを始めたいと思いました。

 

 

 

「岩波科学ライブラリー162 SCIENCE 生きもの ザリガニ 二ホン・アメリカ・ウチダ」 川井唯史 岩波書店

〈生きもの〉 ザリガニ ニホン・アメリカ・ウチダ (岩波科学ライブラリー)

内容

日本に生息する3種類のザリガニの生態や日本人とザリガニのつながりに関する歴史を解説した本です。

 

目次

  1. 再入門!ザリガニの基礎知識
  2. ザリガニの日本史 薬用・食用・献上用
  3. 勇姿に隠されたヒミツ 七色の体と脱皮の科学
  4. 一年と一生 ザリガニの生活史
  5. ザリガニから始める環境学

感想

小学生の頃は学校の帰りに友達とアメリカザリガニを捕まえて戦わせたり、近所の用水路でとってきたアメリカザリガニを水槽に飼ってボウフラを餌にして繫殖させたりと身近な生き物でしたがこの本を読んで知らないことばかりだったと改めて思いました。

 

日本には現在3種類のザリガニがいること、何年生きるのか、どれくらいの大きさまで成長するのか、脱皮の仕組みは?野生ではどのような生活をしているのかなど、この本を読んで初めて知ったことばかりでした。

 

特に日本在来のザリガニである二ホンザリガニは東北より北の川の源流部のようなところにしかおらず、アメリカザリガニとは生息地がかぶっていないということには驚きました。

 

外来種であるアメリカザリガニによって二ホンザリガニは駆逐されてしまったと思っていたので。

 

二ホンザリガニにとって脅威なのは、僕は存在自体知らなかったのですが、もう一つの外来種であるウチダザリガニであるということも今回初めて知りました。

 

また、二ホンザリガニは江戸時代には薬として利用されていたとか、宮廷で食べられたり市場で売られていたこともあったなど日本人とザリガニの歴史も興味深かったです。

 

日本の自然環境や生態系、人と生き物のかかわりをわかりやすく学べるいい本でした。

 

 

 

脱プラスチックへの挑戦 持続可能な地球と世界ビジネスの潮流 堅達京子・+NHK BS1スペシャル取材班

脱プラスチックへの挑戦 持続可能な地球と世界ビジネスの潮流

内容

プラスチックごみが地球を汚染している現状と、脱プラスチックに向けて欧米や日本の企業がどのような取り組みを行っているかについて書かれた本です。

 

第1章では「海のプラスチックごみを回収する」と題して、太平洋の真ん中に存在するという広さがフランスの3倍もあるという太平洋ごみベルト地帯でプラスチックごみを回収している若者の取り組みを紹介するとともに生態系を破壊している実態、マイクロプラスチックが私たちの体内にも取り込まれている実態を紹介しています。

 

第2章では「一歩先を行く世界の取り組み」と題して欧米、特にフランスが積極的に取り組んでいるプラスチックごみへの対策と循環経済を創ろうとする取り組みを紹介するとともに脱プラスチックをビジネスチャンスに変える企業の野心的な挑戦を紹介しています。

 

第3章では「プラスチックを検出する地質年代に生きて」と題して人間が地球の環境や生態系に大きな負荷をかけてしまうようになってしまった時代に世界の国々や我々に何ができるのか、そしてグレタ・トゥーンべリさんの訴えから始まったZ世代と呼ばれる若者たちが引き起こした大きな動きについて紹介しています。

 

第4章では「未来への提言 世界の英知からのメッセージ」と題して環境保護に関する二人の世界的権威のインタビュー。

 

第5章では「正念場の10年をどう生きるか」と題して主に気候変動問題について二酸化炭素をどれだけ削減しないといけないか、2030年までに達成しないと地球環境や人類にどのような危機が訪れるのかについて予測しています。

 

感想

太平洋の真ん中に海流によって流されてきたごみが集まる、広大なごみのスープのような場所があるというのをこの本で初めて知り、衝撃を受けました。

 

また、そのごみの30%は日本から流れてきたものだということことを知ってとてもショックで恥ずかしい気持ちになりました。

 

もう一つ衝撃だったのがマイクロプラスチックといわれる極小のプラスチックのかけらを我々は知らず知らずに毎週クレジットカード1枚分の量を摂取しているという話です。

 

また、欧米では脱プラスチックや循環型経済に向けて大きなうねりが起こりつつあるのに日本では国会での政策も企業の動きもまだまだ鈍くて、さらに世界から取り残されてますます国が衰退していくのではないかと暗澹たる気持ちにさせられました。

 

自分は何気なくレジ袋や食品トレイを受け入れていましたが、レジ袋は受け取らない、食品トレイやペットボトルはしっかり分別するなどできるところから始めて、なるべく使い捨て商品は買わないなどごみを減らす努力をしていきたいと思いました。

 

 

図解でわかる14歳から知るごみゼロ社会 インフォビジュアル研究所・著

図解でわかる 14歳から知るごみゼロ社会

内容

第1章は「世界はごみで溢れている」と題して、世界で一般ごみや産業廃棄物、食品ロスといったごみがどれだけ排出されているのか、といった現状の解説から始まり、プラスチックごみ、衣料品、紙おむつ、生活排水といった我々が何気なく出してしまっている身近な個別のごみから、産業廃棄物、原発から出てくる放射性ごみ、地球の周りを飛び回る宇宙ごみまで人類が出しているあらゆるごみについての解説です。

 

第2章では「人類とごみの歴史」と題して、人類が農耕を始めてから「ごみ問題」が生まれたという話から、古代ローマの衛生観念、中世ヨーロッパがいかに不潔だったか、逆に江戸時代が優れたリサイクル社会だったという話、産業革命以降の公害とごみ戦争、ごみ由来の温室効果ガスの話など興味深い内容。

 

第3章は「ごみの行方を追う」と題して、世界でごみがどのように処分されているのか、日本では家庭から出たごみが最終処分場までどのように出ていくのか、日本のごみ事情の仕組みや問題点、発展途上国へのごみの輸出の実態など、普段の生活では知らなかった事実について解説。

 

最終章では「ごみゼロ社会への道」と題して、SDGsの解説から、まずはごみを出さないようにするという取り組み、リフューズ、リデュース、リユース、リサイクルの4Rといった私たちにもできることの解説、ヨーロッパでの取り組み、日本の自治体での取り組みなど先進的な地域で行われている取り組みの解説から、日本人のごみに対する意識がかなり低い、というデータでみる事実といったことまで、ごみゼロ社会を実現するためにはどうしたらいいのか、私たちのできる事は何なのかについて語られています。

 

感想

知らなったことが多すぎて、自分がどれだけごみ問題に対する意識が低かったかということを知って大いに反省しました。

 

また、日本ではごみをしっかり分別したとしても結局焼却炉でほとんど燃やしてしまっているということで、ごみを細かく分別する意味があるのかと大いに疑問に思ったのと、リサイクルのやり方やデータも世界と日本では基準が違っており、日本がリサイクルの進んでいる国だというのは違うのかもしれないと思いました。

 

ごみ問題についての本をこれからもたくさん読んで、環境に対する意識を高くしていきたいと思いました。

 

 

 

いちばんやさしい脱炭素社会の教本 人気講師が教えるカーボンニュートラルの最前線 インプレス

いちばんやさしい脱炭素社会の教本 人気講師が教えるカーボンニュートラルの最前線 (いちばんやさしい教本)

内容

気候変動問題と脱炭素、カーボンニュートラルについて、三人の専門家が分かりやすく解説した本です。

 

SDG’sやパリ協定、日本政府や各国政府の動きだけでなく、企業や中央銀行、投資家や消費者など、脱炭素をめぐる国内外の動きと脱炭素経営の解説があったり、最新のエネルギー活用法やエネルギーシステムの変化に注目しています。

 

感想

発行が2022年3月なので情報もデータも新しいので現在の脱炭素の関する最新の動きが学ぶことができてとても勉強になりました。

 

アメリカでバイデン政権が誕生する前までは日本も地球温暖化問題に関してはあまり積極的とは言えなかったようですが、菅政権になって以降遅ればせながら脱炭素社会に向けて大きく舵を切ったようで少し安心しました。

 

これからも引き続き日本政府が脱炭素社会に向けてどのような動きをしていくのか見守っていきたいです。

 

 

よくわかる地球温暖化問題 気候ネットワーク【編】 中央法規

よくわかる地球温暖化問題

内容

地球温暖化問題に関して科学編、条約編、対策編の三つの視点から解説した書籍です。

 

科学編では地球温暖化とはどのような仕組みなのかを科学的に解説したり、温暖化が進んだ結果どのような影響が予測されるか、温室効果ガスとは何か、どんな温室効果ガスをどのくらい削減しなくてはいけないか、また、現在どのくらい温室効果ガスが増加しているのかといった基礎的な知識が学べます。

 

条約編では温暖化を防ぐための国際条約についての解説で、主に京都議定書についての運用ルールをメカニズム、森林吸収源、順守制度、途上国を支援する仕組みについて解説し、削減を確実に進めるための仕組みづくりのための国際的課題について触れています。

 

最後は対策編で、地球温暖化防止のための日本国内での取り組みについて、政府のエネルギー政策、発電所の対策、再生可能エネルギーの推進、原子力発電についてに触れ、国内排出量取引制度、自治体での取り組み、地球温暖化へ対応した街づくりといった公共での取り組みの解説。

 

あとは製造業や運輸業といった民間の各産業別の温暖化防止対策の取り組み、家庭における温暖化防止の取り組みといった大きなところから我々一人ひとりにもできる小さなことまで解説しています。

 

感想

図書館で借りてきた13年前の2009年発行の本なのでデータや内容も古く、福島の原発事故の前だし、その後の政権交代や内閣が変わったりとかSDG’sとかサスティナブルなんて言葉も叫ばれていない頃の本なので、今ではかなり状況も違ってきているのではないかと想像しますが、地球温暖化に対する科学的な解説は今とさほど変わらないと思いますので基礎知識に関する勉強には差し支えないと思いました。

 

また、現在はパリ協定など、京都議定書に代わる地球温暖化に関する新たな国際的な枠組みもあるので京都議定書の解説は歴史の一ページとして読みました。

 

当時の日本は地球温暖化に対してかなり後ろ向きで、自分たちに都合のいい内容にしようと交渉をかく乱したり引き延ばしたり結構ひどいことしていたのだと初めて知りました。

 

今ではそれがどうなったのか、最新の状況も知りたいと思いました。

 

地球環境を改善して、次の世代に少しでもいい状態の地球を残せるように何ができるのか、もっともっと知識を身に着けて考えていきたいと思います。