「岩波科学ライブラリー162 SCIENCE 生きもの ザリガニ 二ホン・アメリカ・ウチダ」 川井唯史 岩波書店
内容
日本に生息する3種類のザリガニの生態や日本人とザリガニのつながりに関する歴史を解説した本です。
目次
- 再入門!ザリガニの基礎知識
- ザリガニの日本史 薬用・食用・献上用
- 勇姿に隠されたヒミツ 七色の体と脱皮の科学
- 一年と一生 ザリガニの生活史
- ザリガニから始める環境学
感想
小学生の頃は学校の帰りに友達とアメリカザリガニを捕まえて戦わせたり、近所の用水路でとってきたアメリカザリガニを水槽に飼ってボウフラを餌にして繫殖させたりと身近な生き物でしたがこの本を読んで知らないことばかりだったと改めて思いました。
日本には現在3種類のザリガニがいること、何年生きるのか、どれくらいの大きさまで成長するのか、脱皮の仕組みは?野生ではどのような生活をしているのかなど、この本を読んで初めて知ったことばかりでした。
特に日本在来のザリガニである二ホンザリガニは東北より北の川の源流部のようなところにしかおらず、アメリカザリガニとは生息地がかぶっていないということには驚きました。
外来種であるアメリカザリガニによって二ホンザリガニは駆逐されてしまったと思っていたので。
二ホンザリガニにとって脅威なのは、僕は存在自体知らなかったのですが、もう一つの外来種であるウチダザリガニであるということも今回初めて知りました。
また、二ホンザリガニは江戸時代には薬として利用されていたとか、宮廷で食べられたり市場で売られていたこともあったなど日本人とザリガニの歴史も興味深かったです。
日本の自然環境や生態系、人と生き物のかかわりをわかりやすく学べるいい本でした。